レヴィオルストーリー3

「……まだ復讐は終わってないからな」



アレンが眠ったのを確認し部屋に入ったゲインは、そう憎らしげに言い捨てると青年を見下ろした。




「グロアもディルネ様も、ジリル様の娘だからって調子に乗ってやがんだ。
グロアに至ってはあれなのに。

だけどやっぱりディルネ様には逆らえないし…。


後でお前には地獄を見せてやるよ」




囁く悪魔は何も知らずにただ思いを連ねて言っていた。


青年が目を覚ましていたことなど、つゆほども知らず。






(ジリルの…娘。グロアとディルネが…)



少しでも情報がほしいアレンにとっては、これはとてもいいことだった。



こうやってちょっとずつでも悪魔の内勢を聞き出せたら。





(…もしかしたら、これは好機かもしれない)




アレンはまだ争いを止める希望を捨てていなかった。




だからこそ頭の中で色々と考えながらも、それに集中しきっていなかったのだ。







そして、やがてそれが大きなミスを生む。






まんまと悪魔の罠に嵌まりながらも、アレンはそれに気付くことは出来なかった。







情報は時に、刃となって襲い掛かる――…








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