レヴィオルストーリー3
「…俺がグロアから聞いたのは、こんなだったけど…。合ってるか?」


「ここの見取図よね?完璧よっ!すごい記憶力ね、さすがアレン!」


(…お前は俺の何を知ってるんだ)


こんな簡単すぎる図なんかすぐ覚えられるだろ、とアレンは溜め息をつく。


大体レヴィオルの勇者の城はもっと複雑だしもっとでかい。



「最初は看守とかに気付かれないようにそっと行って…、こっから一気に走る」


アレンは唯一の出入口だという扉へと続く階段を指差した。


それを見たエレス族の双子の兄、ジゼルが眉を潜める。



「なんでだよ。そんなスレスレのとこで走ってもそれまでに気付かれるだろ?最初っから走ってこーぜ」


「…長い間牢屋にいたお前らにそんな体力はないだろ」


「……あ、そか…」


残念そうに呟き、ジゼルは大人しくなった。


その横にピッタリ貼り付いている妹、アデルはアレンが来てから一言も話していない。


無表情なところはジゼルより、アレンの隣に正座しているルネの方に似ていた。



そのルネは見取図を見ながらじっとして動かない。





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