レヴィオルストーリー3
「アレン?」

「ん…何でもない」


不思議そうに見上げるレイに、アレンは穏やかな微笑を向けた。

レイはきょとんとしてから時計を見て時間に気付き、慌てて身支度をはじめる。


そのいつもと変わらない姿を、アレンは少し鋭い目で見つめていた。









「親衛隊七条そのいーち!」

「勇者の城を守護すべし!」

「親衛隊七条そのにー!」

「勇者を守護すべし!」

「親衛隊七条そのさーん!」

「隊長ユーリ様に従うべし!」

「親衛隊七条そのよーん!」


──…街中に元気よく響く声。


勇者の城親衛隊は学校が終わり集合すると、街のど真ん中に聳え立つ真っ白な城に向かい行進していた。

メンバーは隊長ユーリ様に昨日入った四人、それから元からいたリルム達。



「なーにがユーリ様よっ!」


七条全て復唱し終えてから、リルムはつまらなさそうに唇を尖らせ言い捨てた。

先頭を歩いていたユーリはぐるりと振り返りニヤリと意地悪く笑う。


「俺に負けたの誰だっけー?」

「うっ…アンタ元から魔法使えたんでしょ!そんなの不公平よっ」

「ふっふーん殴り合いでも勝てなかったくせにぃー」

「ムカつく!消えろ!!」




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