レヴィオルストーリー3
「はぁ…」

「お疲れアレンっ」


今のくだりで更に疲れた勇者に、グロアが笑顔と共に紅茶を出す。

それを受け取ったアレンは、礼を言ってから床で伸びる少年は無視して王座に腰を下ろした。

哀れなユーリはアデルの隣に正座する。



「明日には引っ越せる」


いきなり主語もなしに紅茶を飲み干したアレンは言った。

マケドニスにも座るように言い、それから彼から一枚紙を受け取る。


「事情があれだし、30何人もいるし…。小さいアパート丸々一個あてといた。部屋とかは自分達で決めろ」

「丸々一個!?セレブっ」

「小さいっつったろ」


盛り上がるグロアに水を差すアレン。

ハルアとレノディア、リディアは顔を見合わせ、そんな彼を見上げた。


「お金は?」

「…余裕が出来てから返してくれればいい」

「……ありがとう」


ホッとしたような大人三人に、アレンはふっと笑みを浮かべた。

それを見たハルアとグロアは微かに頬を染める。


それをアデルの隣に座るジゼルが複雑そうに見ていた。





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