レヴィオルストーリー3
(カマかけてきやがった…!)


生まれてはじめて父親にムカついた瞬間。


アレンは流れる冷や汗をそのままに、どうすればいいと必死に考えた。

…しかし、やはりなにも思い付かず。


じりじりと後退し、何とか彼から距離を取ろうとするしかない。

が、それは逆効果だったらしく。




「逃げんのか?させねぇ…よっ!」



ちょうど背中が樹に当たったところで、ウィスカが走って茂みを越えてきた。


…なんという三十路前。

跳んだ。

それはもう陸上選手のごとく。




スタッと着地したのはちょうどアレンの足先のところ。


アレンは唖然として彼を見上げ、固まる。

一方ウィスカはアレンを見下ろし、そして、眉を潜める。



「ん?」

「…………………。」

「あれ?若い頃の俺?」

「……、…………。」




首を傾げる父、冷や汗ダラダラの息子。



──…そんな、親子の初対面。





(誰か…!ルティ!)



アレンはこの時はじめて、心からあの海賊王に助けを求めた。








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