ペトラキネシス
 
負け惜しみになってしまうが、こちらの推理の全てを語らなくて済んだことは幸いだったか。

岡崎さんは、俺の肩に手を置いた。

「知立、あまり焦るなよ。MDが一枚上手だったことは事実だが、まだ俺達は完全に負けたワケじゃないんだ」

「でも岡崎さん、今の電話を切ってしまったら…
また奴らの後手に回ってしまうのでは?
次の犯罪を待つのですか?」

岡崎さんはタバコに火を着け一口吸い込むと、ため息と紫煙を同時に吐き出した。

「今は情報が少な過ぎる。待つしか無いのは辛いが…
奴らを追えるのは俺達だけだからな。俺達が深溝に落ちることはできん。お前は事件解決の切り札だから、なおさらだ」

俺が切り札、か…
能力を完全に使いこなせない自分が情けない。望んで身についた能力では無いが、今は能力の必要性を実感している。

「もう今日は寝ろ。明日から本格的に捜査を開始するぞ」

「はい…」

俺が警察署を出た時には、もう深夜だった。この夜空の下にMDが居る…
そう思うと、闘志が沸き上がって来た。


待ってろ、MD!
お前を必ず捕まえてみせる!

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