スノウ

カードキー

追いかけても仕方ないし、一人の夜がこわかった私は慧を追いかけたりはしなかった。

部屋へ戻り、バスタブにお湯を張って温かいお湯に漬かった。大好きなバスソルトを入れて、長めのお風呂を愉しんだあと、服を着替えた。

髪の毛を巻いて、いつもよりも派手なメイクをして、テーブルに置いたままのカードキーを持って外へ出た。

深く冷たい空気を吸い込むと、背筋が伸びるような気がした。

歩くこと20分。
クラブ(life)へ着いた。

ドアを開けて地下へ続く階段へと降りていく。

エントランスでスタッフに「女性は2000円です」と言われ

「慧くんはいますか?」

と聞いた。

「もしかしてみちるさんですか?」

何故わたしの名前を知っているのか不思議だった。

「慧さんに12時前後に来た女性をVIPに通すように言われていますのでどうぞこちらへ。」

また案内されてVIPのシートへと向かう。

「みちる!」

目の前に慧が立っていた。

「カードキー、これでしょう」

キーを差し出すと慧は笑って言った。

「それ、あげる。俺はあまり札幌には帰らないんだ。好きなときに使ってかまわないから。結構いい部屋だよ。」
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