勝手にハニーキス
「お前が噂を流したんだろ?」
その件については何度も自分を責めたというのに……。
勿論、責めれば済むという問題では無い。
現にこうして苦しんでいるのは拓斗ではなく静奈で
「確かにいい香りだったよ、ご馳走さま」
制服についた壁の白い汚れを手で叩くと男は去って行き、その途端に緊張の糸が切れたのか泣き崩れる静奈。
「……の……で……が……に」
聞こえないくらいの小さな声で、何かを呟きながら涙を零す。
「どうした?」
果たして本当に償えるのか。せめて、元の友達に戻れないか。
試行錯誤する拓斗の想いを嘲笑うような言葉が耳を刺す。