勝手にハニーキス



「本当に俺ってバカだ」



過去の自分を呪っても仕方が無いし、更に訪れた今回の問題。



結局拓斗の軽率な部分は高校生になってもまだ変わってないようだ。



そんな親友を不憫そうに見つめながらも、自分と明日香の恋事情にまで絡んでくる二人の問題に手は無いかとストローでコーラをかき回しながら考えあぐねる歩。



何度泣かせてしまっても、どうやら静奈を好きらしいこの目の前のバカな男。



そんな拓斗の事を嫌いになれないから、一緒に歩も溜め息をつく。



解決の糸口どころか、二人の間にはピンと貼られたピアノ線が張り巡らされていて、このままではとてもほころびそうに無い。



沈黙を重ねる二人が知らない場所で、静奈に接触している人物がいたなんて知らないまま……ゆっくりと時間は流れていく。



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