涙恋~RUIRENの魔法~
待ち合わせ場所についた。


「ここでまっていて、
先生呼んでくるから。
そこの陰に隠れてて。
メットはそのうち返してくれればいいから」


そう言ってヘルメットを
持たせてくれた。


直樹は走っていった。


しばらく私は曇った空を眺めていた。
私の心と同じ・・・・・・
優の言葉で
晴れたり雨が降ったり


どうにでも変わるだろう・・・・・・・・


「私の空はどうなるんだろう~」


向こう側から直樹が
少しうしろから
優が歩いてきた。


駆け寄って抱きしめたかった。


何日会ってなかった?
会いたかった・・・・・・・


声も
聞いてなかった・・・・・・



直樹が立ちどまりバイクにまたがった。
エンジンをかけて
ヘルメットをかぶった。



大きな声で

「じゃ、先生、あんがとね~」
そう言った。


そして爆音をたてて
バイクは消えていった。


優はその後姿を見送ったあと
歩き出した。



私はその背中に向かって走り出した。
そしてなつかしい背中に
抱きついた。


「ユウくん・・・・・・」


「亜恋・・・・・・・・・・・」



私の恋の終りが近づいていた。
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