涙恋~RUIRENの魔法~
そして

「また、付き合いだしたんでしょ?
私教えてあげたの。
先生が入院するって。
亜恋ちゃん、家飛び出していったから~」


  愛斗は会いに行ったこと
  知ってるよ・・・・


「優先生は、あのあと奥さんとは
どうなったの?
子供だっているはずでしょ?
先生辞めさせられて
愛想つかされた?
私なら、絶対ヤだな~~
だって、お腹に赤ちゃんいるんだよ。
そんな家庭絶対
壊さないけど・・・・・
昔から、亜恋ちゃんって
ほしいものは絶対手に入れるんだ。
どんな手をつかっても~~
魔性の女ってヤツ?
また、男もコロッとひっかかるんだなぁ~
それだけ
亜恋ちゃんが魅力的ってことかな~」

そう言って
ケラケラ笑った。


私はため息が出た。


愛斗は何も言わず前を見ていた。


  ひどいな・・・・
  うちら姉妹なのに・・・・

愛斗を想う
加恋の気持ちの強さだから
仕方ない・・・・・
でも・・・・
やっぱり私と優の愛の形は
人には
濁ったものに見えるのか
そう思うと悲しい・・・・・


私は純粋に愛してる・・・・・
優だって・・・・・・


でもやっぱり
世間にはわかってはもらえない。


家族に言われるのは
特にきつい・・・・・


わかってもらおうと思うから
悲しくなるんだ・・・・・


「亜恋、コーチどうなの?」

「え・・・・今日手術したんだ・・・」


加恋の目が底光した。


「愛斗知ってるの?」

「え?あ・・・あ・・・
大丈夫なのか?」


「私が帰るときは・・・・・
まだ麻酔から覚めてなくて・・・・・」


「そっか・・・・心配だな。」



「コーチ・・・・わかってくれたのか?」
愛斗が空を見上げながら言った。


「愛斗のおかげだよ。
ありがとう。」



「そっか~よかったな。」


愛斗と私の間にある空気は
いつも同じ・・・・・
澱みや濁りのない
空気・・・・・・・・・


いつも私をつつんでくれる
愛斗の空気は
私を癒してくれる・・・・・・
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