涙恋~RUIRENの魔法~
「だから・・・・・
愛斗は・・・・違う恋をしてほしい・・・
私みたいな
辛い恋じゃなくて・・・・
愛斗だけ愛してくれる人と
大事な時間過ごしてほしいの。」


私を抱く腕の力が強くなって
折れそうになった・・・・・



「私が泣いてても無視して・・・・
私は、違う人のために
泣いているんだから・・・・・」



本当は
泣いていたら抱きしめてほしかった。


でも
愛斗は無理をしているから


愛斗の胸の中は痛いほど
伝わってくる。
私ができることは・・・・・・・?


愛斗がとってもいい男だから・・・・
もうこれ以上悲しませたくない。


「もう・・・・私も頼らないから・・・・
大丈夫よ。
私にはユウがいるから・・・・・・・」


愛斗の熱い息が耳にかかった。



「亜恋・・・・・
俺今までこんなに他人を大切に
思ったことはない・・・・・」


「うん・・・・それが私で
うれしいよ・・・・・・・」


愛斗は私を胸から離した。



大きな手が私の顔をすっぽりと
包み込む・・・・・


「おまえ、また泣いてる・・・・
これは俺のため・・・・・?」

涙が流れ落ちた。



「愛斗は魔法使いだから
この気持ち止められる?
私も切ない・・・・・
愛斗が・・・・辛いって悲鳴あげるのは・・・」



「おまえだって
魔法使ってる・・・・・
それもすげーきつい魔法・・・・」



おかしくなって
笑った。


「亜恋の笑っている顔
すげーかわいいよ。
全部俺のものにしたい。
泣いてる顔も
怒ってる顔も
全部、すべて・・・・・・・
一瞬だけでも・・・・
そうできたら・・・・
俺はどんなに幸せなのかな・・・・
コーチのために
泣いたり笑ったりするだけでも
亜恋がこんなに恋しいのに・・・・」


私は愛斗を見つめた。


愛されてるってこんなに
切なかった?

愛斗に何もしてあげられないから・・・・


私は静かに目を閉じた。
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