涙恋~RUIRENの魔法~
「亜恋・・・・」


父の声がした。



「先生がこの世に未練を残さず
見送るには
おまえが自分に責任をもつこと
泣きごとや恨み事を言わないこと
先生がいなくなった後
心をいつまでもひきずらないこと。
意味がわかるか?」


「わかる。」



「先生の家から学校通えるか?
遠いぞ。
絶対休まない。
できるか?」



私は驚きで胸が熱くなった。


「先生にも約束してもらった。」



「ありがとう・・・・・・・」




「それから、もうひとつ大事なこと
親としてはあまり
ふれたくないことだけど
大事なことだから
はっきり言うね。」

母はそう言って
私のおなかを触った。


「赤ちゃんだけは
絶対にだめ。
それが条件。
先生にも厳しく言った条件のひとつ。
あなたも人まかせにしないで
自分でしっかりと
管理しなさい。
先生が未練を残さないという意味は
ここにもあるのよ。
約束よ。
傷つくのは女だから。」
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