涙恋~RUIRENの魔法~
見慣れた医師が私を迎え入れた。


「元気かな?」


「はい、おひさしぶりです。」


「彼は、どうしてる?」
メモを見ながら聞いた?


「メモには痛み止めを増やしてほしいって
書いてあるんだけど
だいぶ苦しそうにしてる?」


「はい・・・・
私には隠してるけど、つらそうです。」



痛みを耐えている優を
思い出して涙が出てきた。



「病院に行くように言った方がいい?」



「一日も早くね・・・・
入院をすごく拒んでたから
今回もこないのかな。」


「入院したらもう・・・・・・」
一番怖い言葉を私はかみしめた。







「会いたい人に連絡して。
もう時間はないから・・・・・・
親、兄弟、親戚、友人
だけど、よく頑張った。
最初の予想よりも
ずいぶん更新したもんな。
君が特効薬なのかな?」



「先生・・・・助けてください・・・・
本当に苦しそうで
私がいなくなると
のたうちまわってる・・・・・」



「気持ちが強いってことだよ。
君のために生きようって・・・・
最期がちかづいているから
悔いなく
その時を迎える準備をはじめよう。
ベットの空きはあるから
すぐに連れてきて。
薬の変更は、本人の診療なしでは
できないって言って。
たぶん、辛いから
来ると思うんだ。
そのまま入院ってことにするから。
君もそのつもりでね。」


先生は私の頭を撫ぜた。


「君がいるから、
彼は大丈夫だよ。」


私は泣きじゃくった。
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