涙恋~RUIRENの魔法~
不思議とその時だけは
痛みがないのか
笑顔ものぞき、みんなが帰ったあとは
私を見て

「ありがとう。」
そう言ってくれた。


訪れた人たちのすすり泣く声が
病室を包む。

誰がみても優の命には明日がなかったから。



大学の仲間たちには
「みんなとバカやって旅してたとこ
思い出してるよ。
自分の今が悔いのない人生だったからこそ
楽しかったことばかり回想できる。」



見送りに出た私に

「ありがと、あいつ幸せだって顔して
きみのおかげだね。」
そう言ってくれて

四季さんは優しく抱きしめてくれた。


サッカー部は
加恋をはじめマネージャーたちも大泣きの中


顧問や
メンバーを前に
優は
「人生、悔いなく・・・・生きよう。」
そう言葉を言い残した。




その日から痛みが少し
やわらいでいるようだった。


私は少しでも離れるのが不安だった。
電話の音にびくついた。

優の母親も
離れるのが怖いと泊まり込んでいた。



その日は、猛吹雪だった・・・・・・・
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