涙恋~RUIRENの魔法~
「今、痛みどめをうちましたから
もうすぐ落ち着くと思いますが・・・・・
覚悟してください。」


「覚悟って・・・・
先生・…覚悟って何ですか・・・・」



私は病室に駆け込んだ。


「あ・・・・れん・・・・・・
たすけて・・・・・・・」


優が呪文のように言い続けていた。



優はまだ痛みと苦しみの中で
もがき苦しんでいた。



私は優を抱きしめた。


「大丈夫・・・・・
薬がきっと効いてくれるよ・・・・
信じようね・・・・・
大丈夫・・・・・
ユウくんの苦しみ私も
引き受けるからね。」



優の体を起こした。



「亜恋・・・・今日は・・・ずっと・・・いれる?」

私は、優の脂汗をハンカチで拭いてあげた。



「うん。いるよ。」


「よかった・・・・・
もう時間がない気がする・・・・
わがまま言うけど・・・・・」
息切れもひどい・・・・・
一言話すたびに、ハァハァしてしまう。



「心臓が・・・早く打ちすぎて・・・・
壊れそうだ・・・・・・」

優の心臓に耳をあてた・・・・


この音が聞こえなくなることを想像してしまう。




その時が


私と優の永遠の別れ・・・・・・
この恋の本当の終止符が刻まれる・・・・・

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