涙恋~RUIRENの魔法~
「天気・・・・おさまったんだね。」


「うん星がきれいだよ。」


優の両親も病室に戻ってきた。


「よかった・・・・・旅立つ空がきれいだと
道がよく見えて迷子に・・・・ならな・・・いから
もう・・・行くから・・・・
亜恋・・・・
俺を見て・・・・・
笑って・・・・・・・
最後は亜恋の笑顔を見ながら・・・・・
出かけるから。」


「約束してたね。」



優が両親を振り返った。



「親不幸、最後まで・・・・ごめん・・・・・
先に行って…待って・・るからさ。
また二人の子供・・・・に
して・・・・命与えてくれて…感…謝…します。
俺・・・・の人生・・・充実してた・・・・」


両親がこらえ切れず泣いた。


「泣かないで…笑顔で送り出して・・・・
亜恋と・・・二人にしてくれる?」



両親は笑顔で優の額に頬ずりをした。


そして私の頭を優しく撫ぜて
優を笑顔で振り返った。


「自慢の息子だったよ。
おまえのおかげで俺達も幸せだった。」


「ありがとう・・・・
可愛い優・・・・・
またおかあさんの子供で会いましょう。」


気丈に笑顔をたたえた。



「いってきます・・・・」


優は細い手を振った。


病室を出てから
少しして母親の悲鳴のような
泣き声が聞こえた。


「親不幸・・・だね・・・俺・・・・・」


優はその腕で
私を抱きよせた。
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