涙恋~RUIRENの魔法~
そのたびに

公式の間違いを指摘してくれて
大きな手が数字を書き上げていく

「あ、そっか!」

「俺より頭のいい人の台詞?」
  そういって笑った。


落としたペンは必ず愛斗のいすの下に
落ちる。

「亜恋、何度俺にひろわせる?」

4回目には、拾ったペンを
「しっかり持てよ。」
そういって握らせた。


大きくてたくましい手が
私の手をすっぽり包んだ。


   心臓出そう


愛斗の魔法は、私を恋を恋の世界に導く


   こんな気持ち久しぶり


「大きい手ね~」
   ついつい声に出してしまう

「この手が大きいのが俺の武器なんだ。
ボールをとる面積が広い。」


そういって手を前に掲げる。

「ほんとに大きい・・・・・」
私の目の前の視界が遮られる。


「亜恋の手は小さくて細いな。」



そういって私の手を
自分の手で上から覆った。


   もう、死んじゃう
心臓が爆音をたてて激しく打つ


「こんなに自分の手がでかいとは・・・・」

眩しい笑顔を私に向けて
大きな手で私の手を
包み込んだ。


身動きのとれない手が汗ばむ。


「とってみろ」

「無理よ。とれないもん。」

「じゃ、ずっとこのままだから~」


愛斗の右手と私の左手

魔法が流れ込んできた。



   愛斗は、いったいどういうつもり?


愛斗は、その遊びを好んでやった。
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