涙恋~RUIRENの魔法~
「俺は、おまえがほしいから。
愛斗が好きで好きで仕方ない
おまえを手にしたい・・・・・
愛斗の落ち込む顔を見てみたい・・・・」


 やっぱり~


ある意味、素直な圭に好感をもった。


「俺ってやだろ~
自分がど~しよーもなく情けない。」



「人を羨むことっていっぱいあるよ。
自分のほしいものを
当たり前な顔で持っていられると
奪いたくなる・・・・
ほしくてほしくて
悪魔に変身しちゃうんだよ。
人の痛みなんか考えずに
そしてそれが楽しくなってしまう・・・・
ね?怖いよね。
これは、私の実体験だから・・・・
今の圭なら、まだ戻れるよ。」



「小さい頃からあいつは
何でも持っていた。
ほしいスパイク、流行りのジャージ・・・・
そして頭脳に風貌に
素質・・・・・・
でかい家に優しい両親・・・・・
金に困ることもなく
すくすくと・・・・みんなに愛されて
まるで夏の向日葵みたいに・・・・」



「夏の向日葵か~
わかる気がする~」
私は笑った。

確かに愛斗がもってないものを
探すのが難しいくらい



「あいつが持ってないもの・・・・・
欲しくて仕方ないのに
持てないものは
亜恋だけ・・・・・・。」


圭は私をまっすぐに見つめた。




「圭はわかってないよ。
愛斗は、そんなふうに私を想ってないよ。」


「どういうこと?」


私は歩きだした。
圭も私の後ろをついて歩いた。


「愛斗が私を想ってくれる気持ちは
深いんだよ・・・・・
私がほかの人を愛してて・・・・
その人と歩んできた道も
わかっているし・・・・
学校で再会した私とユウを
どんな気持ちで見てたのか・・・・
ユウを忘れられない私の背中を
押してくれたのは、愛斗なの・・・・・
愛斗が押してくれて
私は、愛する人の最期の時を
見送れたの・・・・・
ユウの前で泣けない分を
愛斗の前で泣いて泣いて・・・・
そんな私は悪魔でしょう?
愛斗の気持ち知ってるのに
悲しい時だけ
私は愛斗の大きな胸の中で癒されて
元気になったら
またユウのところに戻っていく繰り返し~」
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