涙恋~RUIRENの魔法~
「マジ?
今度の土曜日ね試合がある。」


「土曜日ね、ギリギリこっちにいるから
直接お願いしてみて。
タツキくんのいうことなら、イヤって
きっと言わないから~」
私はそう言った。


「やった~~!!」
タツキくんは飛び上った。


「乾杯したいな~スターはどこだ?」
龍崎さんが立ち上がった。



メグちゃんが
「パパ、みっともないから。
ちょっと待ちなさいよ。」

と釘をさしたから
みんなクスッと笑う。


「怒られた~おじちゃん~」
生意気盛りのタツキくんが
またツッコンだ。




向こうから声が聞こえた。
激しく泣く声に交じって
「ハイ、ハイ・・・
今ね、今あげるからね~」
猛スピードでベビーカーを走らせてきた。



「お腹すいたって~」


愛斗が慌てた様子だった。


「ビールどうぞ。」

メグちゃんが差し出した。


「サンキュー!!」




「なによ、パパにはそんな優しいこと
してくれないのに~」

龍崎さんがふてくされたから
歩来さんが
「ヨシヨシ」と頭を撫ぜた。


ベビーカーから激しく泣く娘

乃愛(ノア)を抱き上げると
不思議に静かになった。


「やっぱ、ママよね~~」

歩来さんと四季さんが顔を見合せた。


「俺、ほら、日頃家にいないからだよ。」
愛斗が口をとがらす。



「ヨシヨシ」
私も愛斗の頭をなぜたら


「スターもかい!?」
タツキくんがツッコンだ。


大爆笑~~~~


「かんぱ~~い!!」



私は愛斗と夢を叶えて
専属トレーナ兼奥様になった。


そして二人で世界を飛び回り


待望の子供が生まれた。



乃愛を抱くたび
愛おしさが胸にこみ上げる。



この子と出会えた運命に感謝しながら・・・・・
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