涙恋~RUIRENの魔法~
「昔、ほんとに頭が悪くて
迷惑かけたの。
あの頃のこと思い出すと恥ずかしくて嫌なの。」


   苦し紛れの嘘


「そ~なんだ~
んま、わかったわ。」

圭が不思議な顔でそう言った。



「中村コーチってサッカーすごかったんでしょ?」


「私は、そこまでわかんないな~」
気のない会話に徹した。

そのあと愛斗と
圭が
優の話で盛り上がっていたから
耳がダンボになった。



優は、家教時代にサッカーをしていた。
顔が真っ黒だった。
一度、優の試合を見に行ったことがあった。
ボールを追って
ゴールを決めた優に
恋ごころを募らせた


   ユウくんのサッカー姿は素敵だよ


ちょっと顔がほころんだ。


「今日コーチ4時に来るって言ってたから
早めに降りて
ちょっと指導してもらいたいな~」


「先輩たちより早く行けば
いいよな~そうしようや~」


優の指導をうけたくて
二人はうずうずしてる様子だった。


   ユウくんよかったね。
   大好きなサッカー教えられて
   夢だったんだよね。


優の夢・・・・・・
叶いかけていた
優の夢・・・・・・


勉強をおしえてもらいながら
優はあつく語っていた。



その叶いかけてた夢をうばったのは
私だった。


台無しにして
優は、重いペナルティーを科せられた。
それも人生のぺナルティーを
社会人として・・・・・・・・
男として・・・・・
人間として・・・・・・・
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