涙恋~RUIRENの魔法~
「ユウくん・・・・・・」


優の目には涙があふれていた。
私の絵をみて
優もあの日のことを
思い出していたに違いない。


「哀しい絵だね。」

「うん。」

「もう会うのは、来世だと思ってた。」

「私も。」

「加恋ちゃんに会った時
近くにいるってわかってたんだ。
でも会わないように願ってた・・・・・・・」

「私も。
加恋から聞いて、会ってはいけないって・・・・・」


「会いたかった。
運命ってさ、俺らを、どれだけ苦しめるんだろう。」

「私も会いたかった。
会ってはいけないから・・・・・
今日あったことは、運命のいたずら。」

「会いたいっと思ってた。
それは会わないと思ってたから・・・・
会うとつらいね。
悲しいことばかり思い出す。」


そう言って、私の絵をみつめた。


「あの日のように、ここで別れようね。
あの風景のまま・・・・・・」


「うん・・・・・
あの日みたいに。
来世で会おうねって・・・・・・」



朝日が高くなってきた。
学校の中が騒がしくなってきた。


「亜恋、青春エンジョイするんだぞ。」

「ユウくんも夢に向かって
頑張ってね・・・・・・」


そう言ってお互い違う方に歩きだした。

涙をこらえて歩いた。
振り向いたら、またきっと
走り出して同じことをしてしまう。


お互いのためにも
それはしてはいけなかった。
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