涙恋~RUIRENの魔法~
負けない
加恋にはあえて何も言わなかった。
加恋をそんな気持ちにさせたのは
私の責任だったから。

噂は独り歩きをしていった。
でもだいたいは
あっている流れだった。


お腹の命を絶ってしまったのは
家族も知らない。
私は、一人で
お年玉で貯めていたお金で
多額の手術費を出した。

身体の傷も心の傷も
全てボロボロになった
孤独な世界・・・・・・・・


   負けない


あの頃は、しっぽ巻いて逃げだしたけど
私があれから
立ち直るまで必死になったことや
優との愛が汚らわしいものなんかじゃ
なかったこと


絶対にげないと
私は誓った。


一人だって、陰口されても
堂々と歩いてやる


孤独をかんじる時間は
30秒でも長く残酷だったけれど
そんなときは
教科書を開いた。

きこえる中傷には
心を無にして
一人になってから泣いた。


救いだったのは、やっぱり愛斗だった。
愛斗と交わす言葉で
笑顔を思い出す。
移動教室は、歩幅を合わせて
歩いてくれた。

男女だから
愛斗の姿がないことも
あったけれど
その分
愛斗に会うと、心が癒された。
< 79 / 441 >

この作品をシェア

pagetop