涙恋~RUIRENの魔法~
 もうきっと会えない・・・・・
  もっと話したかった。
  聞きたいことも聞けなかった・・・・・


あの日も
私は、優の後姿を見送った。

「生まれ変わったら
絶対私を見つけ出して。
私が、ユウくんの子供を産みたい・・・・・」


「ごめん・・・・・
俺が男らしくなかったから
亜恋をこんな苦しい恋に引きづり込んだ。」


「ううん・・・・
初めて会った時から
ずっとずっとユウくんが好きだった。
幼くて、相手にしてもらえなかったけど
あの時、ユウくんと再会して
私は、運命を感じたから・・・・・・
絶対にユウくんを離したくなかった。
奥さんがいてもいなくても
そんなことどうでもよかった。
ユウくんを引きづり込んだのは私・・・・・・・
悪いのは、私・・・・・」


「もっと早く運命に気付ければ
こんなに苦しくはなかったね。
俺の知ってた亜恋は幼かったから・・・・
あの日、久しぶりに会った亜恋の
美しさが眩しかったんだ。
俺もあの日運命を感じた。」


空にいつの間にか星が輝いた。

「見て!!一番星!!」

大きく輝く星に一瞬現実を忘れた。

「俺は、あの日悪魔になった・・・・・・
亜恋が欲しくてたまらなかった・・・・・
自分の置かれてる立場を
忘れるくらい
亜恋が欲しかったから・・・・・
悪魔が立ち去った時
俺には死より苦しい毎日が待っていた。
そして・・・・
亜恋を泣かせてばかりの
苦しい恋をさせてしまったんだ。」


「私は後悔していない。
ユウくんと一緒にいて
ユウくんに、愛されて抱かれてる時
この幸せを感じるために
現実が苦しくても苦しいほど
一つになる時は
幸せだったから・・・・・・」


優は悲しい顔で笑った。


「あの日に戻りたい・・・・・
あの再会の日に・・・・・
俺は、あくまでも 元家庭教師
亜恋は、幼い教え子に・・・・・・・・・・・・・・・・」



物語は少し
昔にさかのぼる


私は、優と再会したあの日に戻って行く・・・・・

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