嫌いになるまで傍にいて


授業が終わって、帰る子や部活の子が慌ただしく教室を出ていく。


「歩、バイバイ」


「うん。バイバイ」


クラスの子達と挨拶を交わしながら、あたしも席を立った。


今日はきっと湯川は来ないから。


何の根拠もないけど。





あたしはまた



あの大きな空洞のような家で



一人、朝になるのを待つだけ。











< 20 / 81 >

この作品をシェア

pagetop