恋あるき

わんころ。




「お久しぶりです。」
覚えてないけど。

「まあサラちゃ…」
「さきです。」
あたしわおばさんの
声をかきけすように
冷静な顔してゆってやった。

「あら…アハハハハハ
ごめんなさいね。」
おばさんわ騙された。
次わおじさん。

「急にすいません。
ほんとにすいません。」
「さきちゃんが謝る
ことじゃないさ。
しかしたいへんだったね。
これからわこの家で
なんでもすればいいよ。」

…おじさんも余裕だった。
だってもう12年も昔だ。
一歳だったあたしの
顔なんてもちろん
覚えてないだろうし
名前もうすら覚えで
きっぱりゆえば騙される。

「げつようから学校…
行けるようにわなってるけど…
どうする?少し落ち着いてから…」
「いきます。
早く友達がほしいんで。」
「それならー。
さきちゃん犬わ好きかね?」
おじさんの自慢げな声。
ムカつく。この家わ金持ちか。

「大好きですよ。」
営業スマイル。

「じゃあ明日にでも
町に出て好きなのを
かってきなさい。
菜津子一緒に行ってきて。」
おばさん菜津子さんってんだ。

とりあえず明日
犬を飼ってもらえる
事になったみたいだ。
犬わ大好きだ。


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