竜の国Ⅱ




「でも俺に対しては

気にしなくていーぜ。

ユウミやわらかくって

気持ちいい♪」



レイヴァールに言われたら

拳が繰り出されそうなセリフも

フィゼルが言うと許せちゃうのは

なぜかしら?



「でもさ

なんであんなとこにいたんだ?」



力強くてあったかい腕の中ですっかり

和んでいたあたしの表情が一変する。



「バカ竜に落とされた。」



ぷく~っと膨らませたあたしの頬を

つんつんつつきながら

クスクス笑うフィゼル。


その優しい表情が

急に年相応の男の子に見えて

ちょっとドキッとしてしまった。








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