藤色アイルランド

めざすは武道館!よろしくローゼンジュークbox~サイクロン~

「貴方達何困ってるの?」
声を掛けたのは黒髪の長いヴァンパイアの少女だった。どっか気品があって少女っつーより女帝と呼ぶに相応しいようなヴァンパイアだ。
「ストリートライブしてる獣人達って貴方達のこと?もし所属事務所探してるならウチの事務所に来ない?武道館ライブまで全面バックアップしたげる。」
はて?はてはて?この女帝なヴァンパイア少女は何を言っているのだろうか・・・?
「だから、貴方達をウチの事務所にスカウトしたいってこと。正確にはウチの傘下の芸能事務所に。」
「はて?」
まだイマイチ事情がわからない。
「まだわかんないとかバカネコですか?貴方。だから貴方達を私サンドリヨン・ローゼンがローゼン男爵家傘下の芸能事務所ローゼンジュークbox所属のアーティストにしたげるってこと。」
「あっ!そーか!!俺達をアンタのとこの芸能事務所に入れるって話か。」
「そーよ。ようやくわかったの?ストリートライブで経験値稼ぐより番組でやったりした方が経験値稼げるぜぃ。それに、貴方達素質はあるんだから私のとこで才能を開花させてあげる。」
「あの~、でも俺達ミュージシャンで武闘家なんだけど。武者修行しながら武術も音楽も腕を上げようって思ってたんだけど。」
俺のこの一言を聞くや、
「貴方達の経歴は全て調べさせてもらったわ。修行する理由も例外なく。でもそこは心配しなくて結構、地球が誇るヴァンパイアの精鋭吸血十二宮とか私の知り合いの武術の達人が直々に稽古つけてくれるよう手配してあげる。」
と返してきた。
「ってことはオイラ達所属事務所が出来て、修行相手もスゴいのがいるって訳?カワバンガ!」
やったよ!所属事務所も出来て精鋭直々の修行がし放題ってある意味大当たりだ!
「でもその前に貴方達のユニット名は変えさせてもらうわよ。そうね・・・、ブレーメンカルテット改めブレーメントンコツズ。略してブレトンに変更よ!と言う訳でようこそ、ローゼンジュークboxへ。」
「あぁ、こちらこそ4649。」
こうして、俺達ブレーメンカルテット改めブレーメントンコツズは武道館ライブへと近付いた。
< 40 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop