戦国遊戯
どこでどう、手合わせをするのかと思っていたら、信玄の家の庭で手合わせをすることになった。


問題は2つ。

こけたら痛い。
そして、私は制服。
・・・やだなー。痛いの嫌いなのに。制服って、結構ひらひらして動きづらいのに。


はぁ、とため息が出た。


「玲子、何か武器はいるか?」

「いえ、結構です」

幸村に、手をひらひらとふった。

「ほう、玲子は素手で戦うというのか」

縁側に座って、傍観している信玄が言ってきた。

「武器の扱いにはあまり慣れていないので」

説得力にはいまいち欠けるが、仕方がない。
本格的に、何かを習ったりしたことはないのだ。すべて見よう見真似。格闘技ゲームや、映画、実際の格闘技。そういったものを見ては、自分でもその動きを真似て遊んでいた。
ワールドヒストリができてからは、その、ワールドヒストリ内で、その動きをさらに磨いた。もちろん、仮想世界と現実世界において、その差はあるとしても、気がつけば、男顔負けの力を身につけていた。

「・・・いいのか?」

幸村は、長柄の棒を持っている。棒は長く、リーチ面で、素手だとかなりのハンデが生まれる。しかし、逆に、相手の懐にもぐりこむことができれば。逆転も可能だ。

「ええ。なれないものを使って、負けたときの言い訳にはしたくないから」

そう言って構える。幸村も構えた。

< 37 / 347 >

この作品をシェア

pagetop