キスに恋して…1
「恥ずかしいから…」


そう言っても離してくれない直哉の手


「もう!歩きにくい!」


私は直哉の手の甲をギュッとつねった


「痛っ!」


「歩きにくいんだもん」


嬉しかったけど…やっぱり恥ずかしいのが先で…


「じゃ、腕は?」


「腕?」


「ほら」


直哉が腕を出した


私は差し出された腕に自分の腕を軽く絡ませた


満足そうな直哉


この時、私の脳裏に浮かんだのは…


転校して間もないのに、ボーリングに行った後、良平の腕に掴まった私だった






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