【短編】運命の人
“そんな……っ、泥棒なんて……”
“だから! おまえを警察に突き出すようなマネはしねぇって!”
“でも……っ”
なかなか首を縦に振らないそいつに、イライラして……。
僕はそいつを、二、三発、思い切り殴ってやった。
“やるだろ?”
“………っ……”
“そうか……。やらないのか……”
指の骨をパキパキと鳴らしながら、俺がゆっくりと近づくと……。
“わ、分かったよ! やるよ! やるからっ……”
そいつは、“快く”承諾してくれたんだ。