-恐怖夜話-
「ふう……」
遠出は楽しいけど、問題はトイレなのよね。
我慢に我慢を重ねたあとの得も言われぬ開放感に浸りながら、そんなことを考えていると、駐車場の方から誰かが近付いてくる気配がした。
ジャリ、ジャリ。
ジャリ、ジャリ、ジャリ――。
あれ?
武ちゃん、来たのかな?
そう思った。
でも、予想は外れ、その足音は私のいる女子トイレに入ってきた。
カツン。
カツン。カツン。
重そうな靴の足音が、狭いトイレの中に響き渡る。