-恐怖夜話-
冷たい。
薄闇の中。
最初に感じたのは、右の頬を叩く冷たい水の粒の感触だった。
自分が、左側を下にして、横向きに倒れて居るのは分かったけど、それ以外は乳白色の闇に包まれているので何も分からない。
目が開かないのだ。
ただ、頬を叩く雨粒の冷たさを感じていた。
雨粒?
でも、キャンピングカーの中に居たのに、どうして雨がかかるの?
のろのろと考えを巡らせていると、次に機能し始めたのは臭覚。
むせ返るような、鉄のニオイが鼻を突いた。