-恐怖夜話-


ばかね。


思わず口の端が上がる。


沙希が死んだって言うのに、それでも笑える自分に感心してしまう。


私は案外、自分が思っているより冷たい人間なのかもしれない。


沙希。


あのメールは、きっとあなただね?


私に危険を知らせてくれたんだよね?


答えは無い。


ただ、東悟が閉め忘れた襖の間から、少し秋の気配の混じった乾いた空気が流れ込み、私の頬を優しく撫でて行った。

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