僕が彼女を殺しました・・・。

「・・・ん・・。」

ゆっくり目を開けると、
そこにはおっさんが居た。


おっさんの顔を見てすぐに分かった。



俺・・・死ねなかったんだ・・・。

千里に会いに・・・行けなかった・・・。





涙が頬を流れた。

でも、その涙は俺のじゃなかった。


「何で・・・こんな事した・・・。」

俺の目の前には、
歯を食いしばって必死に涙を堪えてる
おっさんが居た。




「おっさん・・・泣いてんのか・・・?」



「俺なんかのために・・・そんな顔してんのか?」




ポタポタと雫が落ちる。




「何で・・・泣いてんだよ・・・。」


「何で俺じゃなくておっさんが泣くんだよ・・・。」




気付いたら、俺の目からも涙が出ていた。




何故かは分からない。

ただ、次から次へと涙が出るんだ。

涙が・・止まらないんだ・・・。






何で・・・今俺は泣いてる・・・?


なぜ俺は・・・生きてる・・・?



< 80 / 151 >

この作品をシェア

pagetop