恋*クル〜2nd〜
「……なに……言ってんのよっ」
身体の震えが伝わらないように、あたしは武人を思い切り突き飛ばす。
「市橋くんとあたしが、そんな関係になるわけないでしょう?」
武人に、知られたくない。
バレたら、あたしは間違いなく武人を失ってしまう。
ムキになって言うあたしを、武人はしばらく黙って見ていた。
そして、ベッドに身体を仰向けに落とした武人は、両手を大きく開く。
「おいで、梓」
にこり、と静かに笑いながら、あたしがその腕の中に飛び込むのを待っている。