もう一つの赤ずきん
枯れ木は、降る雪を枝の間に降り積もらせる。

その姿は小さな木のレプリカのように、ありふれた、いつもの風景。


赤ずきんちゃんはオオカミから逃げるものなのに。

オオカミさんを探し続ける日々。

赤みがかった茶色の髪に、白く鋭い犬歯。

どこにいるの?

踏みつけた水たまりの氷が「ペキッ」といってひび割れる。


退屈。


同じ毎日、同じ景色、同じ…私。毎日変わらない日常を送っていく。

あやふやになってしまいそうな私の存在。

誰か、こんな世界変えてくれないかしら。


面白くない。


私は自分の存在を確かめるように、足跡のついた白い雪を振り返った。



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