【企】君の手をずっと。
ギイーー
学校の屋上のドアを開ける。
外の空気を吸うと、少しだけ落ち着いた。
『美月、どうしたんだよ?授業始まってるぞ。何なんだよ』
理由もわからないまま無理やり連れ出され、智也は怒っていた。
何なんだよって。
それはあたしが言いたいよ。
バカ智也。
「智也、何で言ってくれなかったの?」
『は?』
「だから、進路の事。アメリカに行くっていう話」
『聞いたのか?』
あたしは頷いた。
『それでか、美月』
やっとあたしの行動の意味を理解したようだった。