恋の破片(カケラ)~ラブ&ピース~
次の日、百合は怒って所長を見なかったし、口もきかなかった。
「百合ちゃん、何か怒ってるの?」
『知らない!』
「やっぱり怒ってるじゃないか。」
その日仕事の事で、百合は所長に叱られた。
百合は前日の事もあって、滝のように涙を流した。
そしたら所長は百合が泣きやむまで待ってくれて、
「もう帰っていいよ。
エレベーターまで送ろう。」
そう言って百合の肩を抱き、エレベーターの前まで一緒に行き、二人でエレベーターの前で立って待っていると、自然に百合は恋人にもたれるように、頭をちょこっと所長の肩に置いたら、抱き寄せてくれた。
自然な動作だった。
所長の中に、慕われて愛しいという情が生まれている証だと、百合は感じた。
エレベーターが着き、ドアが開くと二人は離れた。