見えない翼
男の視線を背中に感じながら私は教室の方向とは真逆に進んで行く。


少し歩き男の視線が感じられなくなったころ
私は目的の扉を見つけるとそっとドアノブを回しその中へ足を進めた。




「コホンっ」




少し埃っぽいその空間。




その空間はとても狭く
真ん中にあるそれが異様な存在感を放っていた。



それは螺旋状に長々と伸びている。





「よしっっ」



私は意気込み
その段差を一段一段踏みしめながら昇る。




ハァハァっ




予想以上に長くてキツイ。





私は息を切らしながらも
なんとか最後の段にたどり着いた。




『ギィー』



そして私の目の前に現れた
不恰好な錆びれた鉄の塊を押し





ッスーーーー

新たに吹き込まれる風を胸いっぱいに吸い込んだ。


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