美女で野獣
ボク達の順番が来て乗り込む
「…ッ!」
ガタンガタン…ガガッ
不気味な機械音…今の高さはどれくらいだろう?
まるで鳥になったみたいだ
「楽しみだな!紗亜夜♪」
「はいッ」
絶叫大好きな2人は超ウキウキ
一方ボクらは無言…もしかして紀奈怖いのかな
「紀奈?」
セーフティーバーを少しだけずらして紀奈の顔を覗き込む
「は…やとぉ…」
眼をうるうるとさせている紀奈
「…!!!」
きゅんッ!!
不覚にも…萌える
「これから…何が起こるんだ?!」
「落ちるかなッ」
なるべく明るく言ってみた
一瞬で紀奈の顔が真っ青になったのが分かった
ガコンッ
「ッ…」
耳元で紀奈の声にならない叫びを聞いたと思ったら
もう世界は逆回りして天と地は逆さまになっていた
「きゃはははっははは★」
超喜びまくる紗亜夜さんと孝太郎
ボクは結構大丈夫だけど…
「………。」
全く喋らない紀奈、気絶したのかな?
紀奈の顔を見たいけどこんな暴れまくってるコースターに
逆らうことなんてできない
「紀奈ッ!だ…大丈夫?」
「………。」
死んでる!?
ギュッと右手に紀奈の左手が絡みつく
「は…はなさ、ないで」
ダメ!反則!!!
くっそ!可愛すぎんだよッ
自分で自分の欲望を抑え紀奈の白くて細長い指をぎゅっと握る
ボクの指と紀奈の指、1本1本互いに重なり合うように絡みつかせる
プシュー
長くて短い旅が終わった
みんな髪はぐしゃぐしゃで爆発している
孝太郎と紗亜夜さんはギャーギャー騒いでる
「紀奈…終わったよ」
そっと紀奈の顔にまとわりつく髪を掻き分ける
ギュッと力強く閉ざされていた瞼が開く
「お、わった?」「うん」
紀奈はほっと胸をなでおろしセーフティーバーを上に上げ、
壊れてしまうんじゃないかと思うほどの力強い蹴りを
ジェットコースターに浴びせ始める