先生と私のたった一度の恋

3

でも、苦しい…苦しい…


私は立っていれなくて、思わずしゃがんだ。

「は、儚ちゃん!」


近くに来ていた真理花ちゃんもあわてて近づいて来た。



「おいっ!」

誰かが私を抱き上げたところで、私の意識は途切れた。





次に私が目を覚ましたのは、お昼頃だった。

そこは、保健室らしく真っ白な部屋に寝かされていた。


真っ白な部屋にいると、長い病院生活を思い出した。
本当は、全部夢で、私は病院にいて、



先生なんて…本当は…



そんな事を考えていると、ガラッと扉が開いて入って来たのは…先生だった。

「大丈夫か?」


先生は、生徒である私に接する。
胸がズキッとした。


「せん…せ…」


私は先生の顔を見れなくて俯いた。
先生は、軽くため息をついた。

「なぁ?…どうしたんだ?」


切なげな先生の声色に私はゆっくり上を向いた。


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