イジワルな唇_secretkiss_


『お前ん家ここ?』


「えっ?あ。はい」

急に話しかけられてビクッと震わせながら立ち止まるとちょうど家の前だった。

ふーんと呟きながらじろじろと見られる。

「あ・・あの、ナセくん・・・」

『あ?んだよ』

鋭い視線が突き刺さる。


「何って・・なんでそこに突っ立ってるんですか。」


『何って・・・ご褒美は?』


「は?ご褒美って・・・・うぎゃっ?!」


グイッと腕を掴まれてスッポリと中に収まる。

トクンッ
トクンッ・・・

鼓動が弾んで揺れ動く。


『ちょうだいよ、くれるよな?』


甘やかに耳元でささやかれてくすぐったい。


ホント。
ナセくんは、危険なオオカミだ。


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