NOEL(ノエル)

「かもな」

「かもなってエド、何でユーロのワゴンがあんなとこに浮いてんだよ?!」

「知らねぇよ。」

「知らねぇって・・・
誰が乗ってんだよ?あれに」

ガイはハンドルのモニターのターゲットを、エドのスクーターからユーロのワゴンにチェンジする。

(誰だこの姉ちゃんは・・・?)

「おいエド・・・」

言いかけてガイは、その視界の端でパタパタと動くモノに気づく。

「へんな坊主がドームの下で手振ってるぞ」

エドは、一瞬速度を落とし、チラと視線をドームのゲート付近に落とす。

「ん」

そこにはこちらへ向かって必死に手を振っている、ひょろりとした見慣れない少年がいた。

「とりあえずスルーだ。」

エドは視線を前方に戻し、ゲート上空を通り過ぎて行く。


「いいのかよ、おい!
あれらスルーしていいのかよ?!エド」

ガイは叫びながらも、ドームの屋根目掛けて速度を上げるエドの後に続いた。

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