NOEL(ノエル)

――ドサドサドサッ!!

ニコルが大声を張り上げた途端、デスクの上から大量の書物が雪崩れのように崩れ落ちた。

「・・・。やっぱり違うな。」

「え?」

「あ、いや、君が僕の知っている人にとても良く似ていたから、もしかしてそうかなと思ったんだけどね」

そう言いながら、アルベルトは立ち上がってデスクの方へと近付いて行く。

「似てる人?」

「ああ。でもどうやら僕の勘違いみたいだな。」

アルベルトは床に散乱した本を拾い上げる。

「僕はアルベルト・イレイズ。VINOから来た研修生だ。
今日からこの家でお世話になる予定の・・・」

「ふ~ん、そっか。って、それ拾わなくていいからっ!」

「『遺伝子工学の理論と実際』
古い本だな。
NANOにもこんなに古い本が保管されているのか。」

「え、あ、あぁ。
それは爺ちゃんの蔵書だ。
爺ちゃんはデータベースを信用しない所があるからな。
本は沢山あるんだよ。」

「そうか。」

アルベルトは手にした本をパラパラと捲ると、その中にぎっしりと書き込まれたWordに目を留める。

「これ・・・」

< 254 / 298 >

この作品をシェア

pagetop