NOEL(ノエル)

ビルがおずおずと答えると、ニコルはもう一度身に纏ったフリフリのベビードールを見ながら泣きそうな声を出す。

「これ・・・爺ちゃんがガイノイド用に作った試作品・・・だよね?
それが何で此処のクローゼットに入ってたんだよ?」

「あ、いや・・・いつの日かニコもそんな寝間着を着られる日が来るんじゃねぇかと思って・・・な・・・」

エドは気まずそうにポリポリと頭を掻く。

「爺ちゃんのバカーっ!!」

――カタン

その時、エドの横を通り抜けてセシルが部屋に入っていく。

「あ、君は・・・」

セシルはアルベルトの声には反応せず、ツカツカとニコルに近付くと、スルリと自分の白いワイシャツを脱いでニコルの体を覆った。

「凄く似合ってると思うけどね。
あまり他人には見せたくないから。」

セシルはニコルの耳元でそう囁くと、

「で、あなたは誰?」

そう言って冷ややかな視線をアルベルトへと投げる。


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