NOEL(ノエル)

「止・め・ろ!!」

ニコルはそう言って顔を背けると、窓際に置かれたソファにどすんと座って足を組んだ。

「くく。 悪い悪い。
お前も好きでそんなナリしてるわけじゃねぇよなぁ。

13年前の事件さえなかったら、お前だって・・・」

「うるさいよ。
こっちは好きでやってんの。
ったく、今更グタグタつまんない事言ってんじゃねぇっつーの!」

ニコルは声を荒げてソファ越しに中指を立てる。

ガイはそれには答えず、上に向かってふうっと煙を吐き出すと、独り言のように呟いた。

「まぁ・・・待ってろよ、ニコル。
俺たちが、そのうち変えてやるから。」

「ん? 今何か言った?」

「いつまでも、上に怯えて生きてく訳にはいかねぇからよ。
そろそろ・・・反撃だ。」

「ガイ?」

――その時、研究室の扉が開いた。


< 42 / 298 >

この作品をシェア

pagetop