NOEL(ノエル)
「止・め・ろ!!」
ニコルはそう言って顔を背けると、窓際に置かれたソファにどすんと座って足を組んだ。
「くく。 悪い悪い。
お前も好きでそんなナリしてるわけじゃねぇよなぁ。
13年前の事件さえなかったら、お前だって・・・」
「うるさいよ。
こっちは好きでやってんの。
ったく、今更グタグタつまんない事言ってんじゃねぇっつーの!」
ニコルは声を荒げてソファ越しに中指を立てる。
ガイはそれには答えず、上に向かってふうっと煙を吐き出すと、独り言のように呟いた。
「まぁ・・・待ってろよ、ニコル。
俺たちが、そのうち変えてやるから。」
「ん? 今何か言った?」
「いつまでも、上に怯えて生きてく訳にはいかねぇからよ。
そろそろ・・・反撃だ。」
「ガイ?」
――その時、研究室の扉が開いた。