fennel/mimosa
「仲良いんですね」
 うわぁ……喋りもお上品!うらやましいというか……私もこういう風だったらからかわれずにすみそう。
「はい!親友だもんね、凜歌♪」
「……」
 凜歌が眉間にしわを寄せてる……え?ひ……否定?
「りんかぁ〜…親友だと思ってたのにぃ!」
「……」
 お上品な女の子をずっと見つめてる……。どうしたんだろ?
 もしかして……。
「凜歌……ごめんね!私おじゃま〜」
 恋に男女は関係ないよ!うん。性別なんてさ。
「蓮音」
 ちょっと動こうとしたら、凜歌が立って私を凜歌の席に座らせた。
「どうしたの?」
「……気を付けた方がいい」
なんかよくわからないけど…何に気を付けるの?首を傾げてみたけど、凜歌は何にも言わなかった。

「席替わったんですか?」
「あ、はい。そうだ!私は如月蓮音って言います。それと、親友の霞理凜歌」
「蓮音さんと凜歌さんですね。私は久原紅(くはらべに)です」
 丁寧でお上品なお辞儀つき。旧家のお嬢様ってかんじ?
「紅さんですね。よろしくお願いします」

「蓮音」
 紅さんのお上品な微笑みと私のはにかみ笑いでのほほーんとした雰囲気を作っていると、凜歌に呼ばれた。
「始まる」
「あっ、ホントだ。席替わらなきゃ」
急いで席を替わると、ヒマな入学式が始まった。
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