エリートなあなた2


苛立たしげに眉根を寄せるなど、日常とはほど遠い顔つきであるからだ。


この様子から察すれば、相当面倒な事態へ発展していると読むのは簡単なことである。



「……大丈夫です、先方には私から説明致しますのでどうか任せて下さい。
しかし、失礼ながら部署編成には私も疑問を感じます。

担当だから擁護する訳ではありませんが、このままですとマネジメント課に負担が集中するかと」

要望を出す時のポイントは、丁寧に述べつつ要件を的確に伝えること。


「あぁ、その通りだな…。
その件については、今度の会議で私の方から議題に上げておくから心配しないで良い。

ただなぁ、さすがに最近は部署全体の体勢に限界を感じるんだが、君はどうだろうか?
試作部自体が常に業務山積しているのに、トラブルで足止めを食らっても対応が儘ならんとなぁ」

同調してくれた伊藤部長は、うーん……と難しい顔つきで答えを求めて来る。


「部の発展と課員の負担軽減のために、新たな体勢作りをどうかよろしくお願いします」

機内の狭さゆえ軽く一礼すると、部署全体から聞こえてくる希望と不満を率直に伝えた。


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