シンデレラストーリー
『ここだ、よ?』

「なんで疑問系?」

それは緊張してるからです!
なんて言えるわけもなく………

あの後いろいろと芸能界の面白話をたくさんしてもらった。
とても面白かったからか、家に着くのがあっという間だった。
『じゃあ…』

と言って降りると何故か和も降りてきていて、私の隣に立ってニコニコしている。

なんでいるの?

心の声が聞こえたかの様に
「芸能界のこと説明しなきゃね?」

と言い、軽く髪と服装直す和。まるで結婚の挨拶に来た彼氏みたいに…なんて、あり得ない。私と和が結婚出来ないから。ただの説明だから。そう言い聞かせないと勘違いしてしまいそう。

『ただいまー』

「おか…え、り…」

スリッパの音をパタパタさせながらエプロンで手を拭きながら迎えてくれるお母さん。だが、横の存在に気付いたようで固まっている。

「…あら、まぁお父さん!!楓が彼氏連れてきたよ!!」

『違う。』

「え?」

早とちりしすぎ。特にお母さんは天然入ってるから余計に…

「楓ッ!何の連絡も無しに…」

思い切り元ヤンむき出しの感じできたお父さん。またまた横の存在に気付いたようで固まっている。

「彼氏じゃありませんよ?んふふ(笑)」

「あら、じゃあ…とりあえずあがって?」

そう言って靴を整えるお母さんにお父さんは納得の行かない表情。

「美咲さん、知らない人をあげるのは…」

美咲さんとはお母さんのこと。うちの父親はお母さんを名前で呼んでいる。

「あらま、お父さん楓の連れてきた人に悪い人は居ないのよ?」

何気ないお母さんの言葉。その言葉はお母さんが私を信じてくれてるから生まれてきた言葉。

「そ、そうだな」

お父さんの不器用なこの言葉も私を信じてくれてるから、、、


< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop